愛媛の水産
機船船びき網(西条地区)
 イワシを漁獲対象とする規模の大きい船びき網漁業で「パッチ網」とも呼ばれています。川之江地区で最も盛んに行われ、戦後伝来した当初は20馬力程度の中古船で川之江沖から伊吹島沖の海域で操業していました。現在は川之江漁協管内に14統が操業しています。
 許可期間は5月15日から翌年1月15日までで、盛漁期は7〜8月。網船2隻に約10人が乗り込み、水深20mくらいの海域の中間を曵き網します。以前は20人くらいの労働力が必要でしたが、ネットローラーの普及により省力化が実現しました。その後、魚群探知機を装備し、漁法も一段と近代化されました。
「漁の成果は?」。網を揚げる瞬間は緊張感に包まれる
燧灘を2隻で操業する漁船

機船船びき網で獲れる主な魚(西条地区)
カタクチイワシ
 やや円筒状の細長い体型で、背は青黒く腹は銀白色をしています。マイワシに似ていますが、マイワシよりも下あごが小さく、上あごが前に突出しています。これらの外見から「セグロ」、「タレクチ」などとも呼ばれています。 大きな群れをなして沿岸の表層を泳ぎ回り、大きな口を開けてプランクトンを食べ、泳ぎながらエラでろ過します。寿命は長くても3年以内と短いこともあり、子孫の維持、繁栄を図るためか春と秋の年2回産卵します。
 稚魚をシラスとして食用したり、煮干に加工されたりするほか、養殖魚用の餌料用などにと大量に漁獲されます。

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