愛媛の水産
マダイ養殖(宇和島地区)
 マダイの養殖が本格的に行われるようになったのは最近のことですが、ハマチ養殖に代わる有望な魚種として手がけられてきました。昭和48年頃から経営体と漁獲高が急速に伸びており、現在では、海産魚養殖の代表的な存在になっています。
 様々な研究の結果、成長が早く、品種的にも安定している人工種苗を使うことによりコストダウンを可能にしました。また、天然鯛と差別化されやすい「魚の色」や「肉質」も養殖場や飼料の工夫により改良されてきています。
 マダイは通常水温が下がるとエサを食べず成長も止まりますが、その点、冬場も水温が高い愛媛県南部の宇和海は有利で、八幡浜市・宇和島市・北宇和郡・南宇和郡などで盛んに養殖が行われています。その結果、愛媛県は全国有数のマダイの水揚量を誇っており、マダイは県の魚として指定されています。
マダイの出荷は年末にピークを迎える
県の魚になっているマダイの生け簀

マダイ養殖で獲れる魚(宇和島地区)
マダイ
 タイは、赤い体色に鮮やかな青い斑点のある非常に美しい魚です。美しい色とみごとな姿と味のよさから、昔から祝い事や日本料理の代表的な魚として使われてきました。また、桜の時期に美しいほんのりとした桜色の体となって、産卵のために浅い所へやってくることから、「桜ダイ」とも呼ばれています。
 マダイは水深30〜150mくらいの砂礫と岩礁が混じったような場所を好み、大きいもので全長50cmくらいになる、タイ類で最大の魚です。


ハマチ養殖(宇和島地区)
餌料の投入は機械でも行われる
 ハマチは、成長に従ってモジャコ→ヤズ→ハマチ→ブリなどと名前が変わる出世魚です。地域によってその呼び名も様々です。
 ハマチの種苗の大量生産技術はまだ確立されていないので、流れ藻についた稚魚(モジャコ)を採捕します。養殖場に輸送されてきた種苗は、選別され、予備の網いけすで1日数回に分けて給餌し、十分に蓄養します。その後、成魚用の養殖施設に移し、配合飼料などを与えて育てます。
湾内に広がる養殖生け簀
順調に成長したハマチの水揚げ

ハマチ養殖で獲れる魚(宇和島地区)
ハマチ
 ハマチは温帯地域に住む外洋性の回遊魚で、水温14〜15度あたりを好むのでこのような水温のところを求め、群れをつくって移動します。その途中イワシ、サバ、イカなどを食べます。
 円柱形の体は背中側が黒青色、腹側が銀白色で、側面の中央には縦に黄色い帯がはいっており、全長1m位になります。
 出世魚として有名で、昔から縁起のいい魚として珍重されていて、お正月にかかせない食材となっています。

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